ファースト…。
ファースト…。 本文
……その……えっと……。
……。
あの……よ、蓉子……さん。
……はい。
えーと、訊いて良いですか?
……なぁに?
えー……とー……い、いつから?
……。
あー……やっぱ、答えにくい……ですよね……。
ばか。
あー……うん……すみません。
……。
うん……いつからなんて、わかんない……よね。
……あなたは、どうなのよ?
へ?
あなたは……いつから……。
ん……と。
その……。ですね。えーと……厳密にはね、よく・わかんないん……ですが。
も……もしかしたら……て思ったのがね……えーと……
その……。ですね。えーと……厳密にはね、よく・わかんないん……ですが。
も……もしかしたら……て思ったのがね……えーと……
ちょっと。無理にひねり出さなくてもいいのよ?
あ。いえいえ。ひねり出そうとしてるんじゃなくて……その……
なによ?
恥ずかしいね。
は?
改めて言うのって。
……でもまぁ、憶えてる限りでは、GWちょっと過ぎたころ……だった……かな。
……でもまぁ、憶えてる限りでは、GWちょっと過ぎたころ……だった……かな。
あやふやなのね?
いやいや……そうじゃなくて。
自覚したのが、そのくらいだった……の。
自覚したのが、そのくらいだった……の。
……。
『もしかして、私、蓉子のことが好きなのかな?』って。
なにそれ? すごく他人事みたい。
……ふと……さ。気がつくわけ。『あれ。今私、蓉子のコト考えてる』って
それが積もり積もって……ね。
でもさ……。
それが積もり積もって……ね。
でもさ……。
……?
まぁ、私はこんなだしね。
聖……。
蓉子は……普通の女の子だし。
その……気持ち悪いかなぁ……って。思ったワケ。
でも……でもさ。
気持ちがね、膨らんでいくんだよね。押さえようとすればするほど。
……前もそうだったけど……。
その……気持ち悪いかなぁ……って。思ったワケ。
でも……でもさ。
気持ちがね、膨らんでいくんだよね。押さえようとすればするほど。
……前もそうだったけど……。
……。
あの時とは、ちょっと違ってて。……言葉で説明しにくいんだけど、違うの。
……うん。
夏休み中ずーっと考えてて。
蓉子に……ぶちまけちゃって、すっきりしたいなって。
そこには、蓉子の気持ちなんて、これっぽっちも入ってなくて。……自分本位で。
言って、『No』って言われたかったんだと思う。……そしたら、諦められる。
……そう思ったんじゃないかな。
……ごめん。うまく言葉にできない。
蓉子に……ぶちまけちゃって、すっきりしたいなって。
そこには、蓉子の気持ちなんて、これっぽっちも入ってなくて。……自分本位で。
言って、『No』って言われたかったんだと思う。……そしたら、諦められる。
……そう思ったんじゃないかな。
……ごめん。うまく言葉にできない。
……いいえ。
たぶん、私もそうだから。
……ええ。きっとそうなの。
たぶん、私もそうだから。
……ええ。きっとそうなの。
蓉子……。
あなたに『No』と言われたかったんだと思う。
言われて、自分の感情に振り回されている自分自身と、手を切りたかったんだと思うわ。
……ごめんなさい。
言われて、自分の感情に振り回されている自分自身と、手を切りたかったんだと思うわ。
……ごめんなさい。
ちょっと……謝らないでよ。
……。
……私が、謝りづらくなるじゃない。
……え?
……。
……。
……お互いさまって……こと……かな。
……そうね。
そっか……。
……そうよ。
この先……どうなるか、わかんないけどさ。
蓉子と、できるだけ長く歩いていきたい。
蓉子と、できるだけ長く歩いていきたい。
……聖……。
……好きだよ、蓉子。
……うん……。
大好き。
ええ、私もよ、せ……。……あ……。
……。
……。
……。
……ん……。
……………先が、思いやられる、わね。
……………先が、思いやられる、わね。
んひ。
……手が早い人は、好きじゃないわ。
嫌いじゃ、ないんだ?
……もうっ。
……そろそろ、帰るよ。
え?
服、そろそろ乾いてる……でしょ?
……そうね。
今日は、ありがと。
(首を横に振る)私こそ。
今度また、どっか行こう?
ええ。……服、持ってくるわね。
ん。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
家に戻ったら、メールを頂戴。
……電話でもいい? メール、打ちにくくって。
どちちでも。
うん。……じゃ、おやすみ。
……。
ん?
……あとに取っておきたいの。
……あ……しまった。
ふふふふ……。
戻ったら、電話します。
待ってるわ。
……うん。じゃ、またあとで。
ええ、またあとで。