へっぽこ・ぽこぽこ書架

二次創作・駄っ作置き場。 ―妄想と暴走のおもむくままに―

艦これ駄文。

ヒナセとカワチ 蒸しパンと…

ヒナセとカワチ 蒸しパンと… 本文

ちょっと閑話的なモノ。
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………。
ヒナセ、これはなんだい?
なにって……蒸しパンなんだけど。
……イモ入り……だよな。
そーだよ。
君作か?
そーですよ。
……なかなか斬新な形だな。
うるさいですよ。
なんでこんなことになったのか、こっちが聞きたい。
鳳翔さんは何か言ってたかい?
んにゃ。
おいしい……とは言ってくれた。
ほう。じゃ、期待できるのかな。
そんなこと言う人には、あげません。
返して。
いやいや。なかなか君の手作りを食す機会はないからね。
頂くよ……(食べて)………。
……ふむ、これは味もなかなか斬新な……。
………。
失礼だがヒナセ、味見はしたかい?
した。私的にはおかしく感じなかった。
こんな味だったなぁって。
そうか。
じゃ、こういう味なんだな。君の母上の味は。
………。
ああ、味が悪いというわけではないんだ。
ただ、子供のころに食べた蒸しパンとはちょっと違うなと。
……あそ。
私が食べたことがあるのは市販品だけでね。
おやつを作ってもらって食べた記憶がないんだよ。
祖母はいたが、これもまた軍人だったから、おおよそ家庭的なものはなかったなぁ。
………。
うん。美味い。
手作りの蒸しパンとは、このように噛みしめて味わうものなんだな……。
……いや……そういうワケじゃないと思うんだけど、母や父が作るのはこんな感じだった。
そうか。
うん。鳳翔さんが作る蒸しパンは、もっとフワフワしてる。
ほう……それはそれは……羨ましいね。
オマエさんも、妙高さんとかに作ってもらえばいいじゃない。
酒の肴とか。
酒の肴は作ってくれるが、こういうノスタルジーをかき立てるものは苦手らしくてね。
オマエさんが望めば、存外作ってくれるかもよ?
艦娘は、仕える提督の意に沿いたいとプログラムされているから。
そう言ってしまったら、身も蓋も情緒もないな。
……だが、その考え方は間違っていない。
我々は人間だ。そして彼女たちは艦娘だ。
交じり合えるようで、その実は交じり合えない。
悲しいかな人間は、彼女たちと交じり合えるとしゅっちゅう勘違いをしている。
………。
……で、訊こう訊こうと思っていたが、なんの気の迷いかな、ヒナセ提督。
あん?
私に手作りおやつを饗するなんて。
明日、雪が降るか流氷でも来るのじゃないか?(笑う)
んー……なんとなく……かな。
なんとなく?
……んにゃ。毒味だね。
酷い(笑う)
明日の遠征のおやつに、みんなに持たせようかなって。
オマエさんが言ったように、噛みしめて食べる固さだから、腹持ちがいいんだよねぇ、これ。
じゃ、この形も、そのせいかい?
……んにゃ……それは……。
失敗作か?
もっと丸く膨らむとおもってた。
生地が存外柔らかくて、流れてねぇ。
それ、ニコイチなの実は。
……ああ、隣同士がくっついたのか。
そ。
生地が柔らかいなら、なにか器に入れて蒸せば良いんだよ。
蒸す?
違うのか?
えーっと……電子レンジ。
なるほど……あー……さては、先日来た電子レンジを使ってみたかっただけか!
……!!
図星だな(破顔大笑)
……う……うるさいですよ。
ホワイトデーのお返しを一気に作ろうと思ったな。
………。
はははは。ならば先に私に相談したまえよ。
どのみち私もお返しでクッキーでも作ろうと思っていたところだから、一緒にやろう。司令官(肩を叩く)
………。
去年は伊良湖から購入していたのに、大した進歩だなぁ。
そんなに文月ちゃんにバレて指摘されたのが、ショックだったかい(わっはわっはと笑う)
じゃ、鳳翔さんにまず味見をしてもらったのは、もしかして……。
……うっかり見つかりました。
あっははははははははは!!
あー! もう!!!
うるさいよ!! 笑いすぎだって!!
いやいや。さすが我が司令官。オチどころもばっちりだ。
もういい!! 今年は鳳翔さんに作ってもらうから!!
まぁまぁへそを曲げるな、ヒナセ。
一緒にやろう。いっしょに。
きー!!
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